整数全体の集合は体になる

みなさん、こんにちは。DOWNEY です。

今回は、整数全体の集合  \mathbb{Z} が体になるというお話をし math。

なお、数学的には何の価値もない結果ですので、おそらくどの書籍にも書いてないと思います(笑)

簡単に説明すると、数学用語で (たい)(field)とは四則演算 +, ー, ×, ÷ が可能な集合、 (かん)(ring)とは +, ー, × が可能な集合のことです。 はっきり言って名前の付け方が意味不明ですが、それは置いといて、ここでは整数  \mathbb{Z} は体ではない環であるということを確認してください。

実際、(整数)+(整数)=(整数), (整数)ー(整数)=(整数), (整数)×(整数)=(整数)ですが(整数)÷(整数)=(整数)ではないです。

では、  \mathbb{Z} が体になるとはどういうことなのでしょうか。

実は、 \mathbb{Z} の演算を通常の和と積とは違う形に定めなおすことで、割り算が可能にもなるんです。 その定め方とは・・・ ズバリ、有理数 \mathbb{Q} の和と積に対応させるのです! 詳しく説明していきましょう。

 \mathbb{Z} \mathbb{Q} は一対一に対応付けることができます( \mathbb{Z} \mathbb{Q} の間に全単射が定まります)。 この一対一の対応を  \varphi とおき、 \mathbb{Z} に和  \oplus と積  \otimesを、 {}^\forall a, b \in \mathbb{Z} に対し

  \begin{align}
a \oplus b = \varphi^{-1}(\varphi(a) + \varphi(b)),
a \otimes b = \varphi^{-1}(\varphi(a) \times \varphi(b))
\end{align}

により定めると、 \mathbb{Z} は体をなします。 ちなみに、 \oplus, \otimes は通常の和 + と積 × と区別するために用いただけで、直和・テンソル積とは一切関係ありません。

例えば、全単射  \varphi \varphi(1) = \frac{1}{1}, \varphi(2) = \frac{2}{1}, \varphi(3) = \frac{1}{2}, \varphi(5) = \frac{3}{1} となるものの場合、  \begin{align}
1 \oplus 2 = 5, 2 \otimes 3 = 1
\end{align} となります。 このように定めた和と積により、整数  \mathbb{Z} は四則演算が可能になる、つまり体になるんです!

まぁ、整数  \mathbb{Z}有理数  \mathbb{Q} とみなしているだけなんですけどね。

今回は、整数全体の集合  \mathbb{Z} がタイになるというお話でした。いかがでしたでしょうか。 最後までお読みくださり、ありがとうございました。